これは去年の夏の話です
まだ明けきらない早朝
既に仕事人「みるく」は
駐車場にいた。
エンジンをかけるまえにCDを
ダッシュボードから取り出す
「千の風になって」とか
「ロード」とか
朝日が染み入る時は
静かなバラードが好き
エンジンをかけた
「ビーーーーーーーーーーー」
えっ?
静かな朝の駐車場
突然騒音につつまれた
慌ててエンジンを切る
クラクションは鳴りやんだ
なんだったんだろう?
もう一度エンジンをかける
「ビーーーーーーーーーーー」
ロード第一章が幕を開ける
とらぶりゅーにも程がある!
エンジンとクラクションが
タッグを組んだ!
ぱらぱらとカーテンが開く
皆さんも被害者なら俺も被害者です!
オーバーアクションで焦って見せる
うそぉーん!
取りあえずエンジンを
小刻みにかける。
ぴっぴっぴっ
ぴっぴっぴっ
ぴっぴっぴっぴっぴっぴっぴ
リズムを取った事で
加害者になってしまった
後悔はいつだって先には来ない
とりあえず直ぐの出勤は諦め
数時間後、購入した中古屋さんに
連絡をいれた
車を購入する際
無料でCDデッキをつけてくれた
素敵なおっちゃんで
その後の快適さを思えば
この人は「神」だった。
神に素敵な解決策を
教えてもらおう
「(車)持ってきて」
鬼だった
車屋までは国道で7キロ
けど交通量が多い国道は走れない
裏道から少しずつ進んだ
暑さで逝ってしまった人になりきった
「うほっほっほ~~~~い」
鬼に車を見せると
原因不明で直せない
工場に持って行けとのこと
ただ暫くはクラクションを外し
運転してればいいと
アドバイスをくれた
「外して大丈夫ですかね?」
「大丈夫だよ」
「クラクションなんて」
「5年以上鳴らしてないよ俺」
そうか確かに言われてみれば
クラクションは使わなくても
大丈夫か・・・
恵比須顔で言われれば
妙に納得させられる
工場の手配をしてもらうため
事務所に入り手続きをする
出されたコーヒーが美味しかった
帰り際丁度恵比寿様が
車でどこかに行こうとしていた
軽く会釈をした。
彼も俺に気づき
挨拶を返してくれた
「ピッ」
今までの人生で
これほど軽いクラクション
聞いた事なら無かった
タオバオ代行
没有评论:
发表评论